spiral
言葉にした瞬間、頭に浮かぶあの映像
俺は拳を握りしめた
「ま、もの…?」
亜未の声に、俺は我に帰る
「魔物が、この事件の犯人なの…!?」
動揺が浮かぶ、亜未の瞳
しまった、と思ったけど
もう遅かった
「荒々しい息遣い…おばさんの証言と一致してた。きっと、アイツが犯人だったと思う。」
悲しそうな顔をする亜未
魔物だって、俺達と同じ命
その命を…俺は奪ったんだ
「…やっぱり、魔物が犯人か…。」
予想外の言葉を発したのは
風だった
「『やっぱり』?風お前…気づいてたのかよ!!」
風はゆっくり頷いた
「羽田の傷口から…微かに魔物の臭いを感じた。けど、確信してた訳じゃない。」
羽田から魔物の臭い…!?
じゃあ、羽田はアイツにやられたってことか?
「…やっぱり、俺は魔界に戻らねぇと。」