コンティニュー
来客
「あのラスボス超つよくね?」

またこの話か。

ノブオははペダルを漕ぎながら、くだらない話を聞いてやった。

「おい、聞いてんのかよ」

「あ?聞いてるよ」

この話を聞くのは3回目。
こいつはダイキ。
幼馴染みだ。
家が近いってだけで一応友達になってあげている。

帰り道に決まってテレビゲームの話をする。
今こいつが話しているのは、先月発売された<マジックキングダム4>という大人気のロールプレイングゲーム。

主人公が悪の大王を倒し、世界が平和になるっていうベタベタなゲーム。

「・・・じゃん、で、そのあと魔法きかねーんだよ!ぜってー倒せないよ、あんなの!」

「だから、マジックバリア張られる前に"エルフの村"でもらった聖なる粉を投げるんだって。」

攻略法を教えるのも3回目。
ダイキが本当に困ってそうなので、イラつき顔をださないように教えてあげる。

俺はとっくにクリアしている。レベルも99まであげたし、"オーパーツ"も全部集めた。
だから、学校へ行っても俺に振られる話題はそればかり。

いい加減あきてきた。
「じゃあな。また明日。」

「ああ。じゃな。」


家につくと、見たことない靴が一足玄関の隅にあった。

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