淡い恋心
 そして、放課後……。

「夏! 私、バスケ部やめよっかなぁ?」
「なっなんでっ」
「うそっ嘘でよっ」

 あたしは、ホッと肩を撫でおろした。

萌は推薦じゃなく、受験で入ってきたけど、今まで一緒にバスケを頑張ってきた仲間だ。

「翠ちんは、何部?」
「私は、陸上部だよっ!」
「ファイトっ! またねっ」

 部室に向かっている途中、何かの勘がビビッ―とはしった。

その方向に顔をやると……。

「晃平??」

 思わずつぶやいてしまった。

それに気付いたのか彼も振り向く。そしてこっちへ来る。

「夏っ! あれ、この学校1の人気男だよ!! こっちくんじゃんっ」

 興奮している萌はそっちのけで、私も視線を送る。

そして……

「夏芽?!」

 彼は私を言う。

「そうだよっ! 久しぶりっ」

 萌は口をぽかんと開けている。私はニコニコ笑っている。晃平は、びっくりしている。

3人それぞれ違うリアクション。

「てかっ夏芽なんでここに?」
「私ここの学校、推薦入学したんだよっ」
「バスケかっ」
「うんっ」

 晃平は嬉しそうに笑っている。

「私、萌です! この子の親友です」
「興奮しすぎ……」

 萌は顔真っ赤にしていた。

「晃平! まだバスケやってる??」
「おうっ!」
「今度あそぼーねっ」
「てかっ先輩つけろやっ」
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