小さな願い
「美咲…」
手を握ると冷たくなっていた
俺は自分のポケットの中からある箱を取り出した
それは何ヵ月もバイトをして貯めたお金で買った
物だった
「お前にあげようと、思ってたんだ…」
かたっ
箱を開けると中にはネックレスが
綺麗に入れてある
初めは将来のためにバイトをし始めた
でも、美咲に今まで数えるほどしか
あげてないプレゼント…
だから高い物を買ってやりたかった
値段じゃないのなわかってる
でも、買ってやりたかった
「プロポーズしようと…
思ってたんだけどな」
苦笑いをしながら美咲を見ると
涙を流している
「なんで…泣いてんだ…?」
そう呟いた瞬間ゆっくりと
美咲の目が開いた