小さな願い

「ん、俺授業サボるし貸してやるよ」

「ありがとう」




はじめはこんな感じにお互い挨拶程度の

会話だけだった

それから２ヶ月経った



「亮、今日帰れそう？」

「あぁ」

「よかった～じゃあ帰ろ？」



亮。

下の名前で呼ぶ俺の彼女

美咲。

俺たちが付き合い始めたのは１ヶ月前




「青木君…あたし青木君が好きなの」




美咲からの告白で付き合うことになった俺達。



あれから１カ月




周りからはお似合いのカップルと言われる程の

有名なカップルだった




「あ、青木君だ、かっこいいね～」

「いいなぁ、佐藤さん

でもお似合いだから許せるよね～」





下校中




同じ学年の奴等が話しているのが聞こえた美咲が

渋い顔をした



「どした？」

「亮ってやっぱりモテるんだね」

「あんなんモテてるうちに入んないだろ」




俺の事が好きって言うやつはだいたい顔で

告ってくるやつが多い

美咲は違った。俺の中身を見てくれるやつだった



こんなやつ…他にはいない