小さな願い
「でも…」

「心配しなくても、俺はお前のだろ?」

「え…?」




顔を真っ赤にして俯く美咲がとてつもなく

愛おしかった




「ごめん亮…待たせた?」

「全然。ほら、行くぞ」




何度目のデートなんだろうか

差し出した俺の手を頬を赤く染めて

握ってくる



「映画、何見る?」

「ん~恋愛物」

「え!?」





恋愛物を見る柄でもない俺が

言ったのが驚いたのか目を見開いて

こちらを見ていた




「が見たいんだろ?美咲は」

「亮はあたしのこと何でもお見通しなんだねっ」




結局泣ける恋愛物の映画を見た

はっきり言って何が面白いのか分からず

適当に画面を見つめる



クライマックスになって美咲は大号泣していた




「いつまで泣いてんだよ

俺が泣かしたみたいだろ?」

「だって~亮は感動しなかったの?」

「全然」

「嘘だ~!

実はウルッと来てたんじゃないの?」

「アホか」
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