今日も刀を振りかざす
どこからか風が吹き、ルゥの茶色くて短い髪が風に靡いていた
『俺のかりんとうぅぅぅ!!!』
ルゥはバッと顔を上げ、凄まじい殺気を妖魔に向かって飛ばす
妖魔はそんなルゥの様子に怯むことなく、ゆっくりと私たちに近付いた
『謝りもしねぇのか……』
いつもよりワントーン低いルゥの声が響く
『いや、ルゥ……相手は妖魔なんだし……』
『久しぶりに…暴れられそうだな』
不敵な笑みを浮かべ、ルゥは自分よりも遥かに大きな妖魔を見上げた
私の声も今のルゥには届かない
『あーぁ、ルゥちゃん怒らせたから…あの妖魔ちゃんアウトだねぇ』
蒼夜が頭で腕を組んで楽しそうに声を弾ませる
………どうしてそんなに楽しそうなんだ
この状況で楽しめる人間なんて…こいつぐらいだろう