今日も刀を振りかざす
『傷付くなぁー、そのため息』
そんな私の様子を見て蒼夜は苦笑を浮かべると、向かいの屋上からこちらの屋上へ跳び移って私の目の前に着地した
その軽々した身のこなしには、やはり人間離れしているな…と、いつも思う
まぁ……私も人の事言えないけど
『それにしても……今回は夜魅(やみ)より俺の方が計画的だったかな?』
ニコニコと上から私を見下ろす蒼夜を私は下から鋭く睨みつけた
蒼夜の身長が180cmもあるから…どうしても私は下から見上げなければならなくなる
……少しムカつくが
『何が計画的よ。ただ隠れてただけのくせに』
『いやぁ〜…余計な力は使いたくないじゃん?また新たな妖魔が現れたりしたら嫌だし』
そう言って悪びれる事なくニッコリと微笑む蒼夜を見上げて私は再び深いため息を漏らした
諦めた方がいい、何言っても無駄に終わる
『何?もしかして夜魅……寂しかったの?』
『どういう解釈をしたらそこにたどり着くのよ…』
『そうか、そうかぁ…寂しかったのかぁ〜…よしよし』
『頭沸いてるの?馬鹿なの?死ねば?』
『酷いなぁ〜』
勝手に自己解決して私の頭を「よしよし」と撫でていた蒼夜の手を掃う
そして私は蒼夜に背を向けて歩きだした
歩きだした私の後に続いて蒼夜も続く