今日も刀を振りかざす



『モルモットの体内にこの呪石を埋め込んだところ…そのモルモットが低レベルだが妖魔となった』


『妖魔に!!?』


私が驚いて声をあげると、今まで黙っていた蒼夜がゆっくりと口を開く


『……人体実験か』


『さすが蒼夜、勘がいいな』


リクさんがそう言って呪石を手に取る


『幹部の奴らは非道な奴らばかりだ…この呪石の報告を受けたら、必ず人体実験に手を出すに違いない』


リクさんはそう口にすると、自分の腕に呪石を押し付け始めた


……人体実験


モルモットにした様に…人間の体内に埋め込んだりしたら……


想像するだけで恐ろしい………


『…確かに黙っていた方がいいな…幹部の指示となると俺達は口出し出来ない』


リーダーはそう言葉を吐き捨てると、呪石を腕に押さえ付けていたリクさんから呪石を奪う


そしてボソッと「この石を甘く見るな、お前が妖魔になったら…俺はお前を殺せない」とリクさんに呟く


真剣な表情で言うあたり…リーダーはすごくリクさんの事を大切に思ってるんだろう……


でも…確かにそうだ


たとえ妖魔だとしても、それが元は人間だったならば…私は殺せない






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