今日も刀を振りかざす


『…時間がない、さっさと準備しろ』


リーダーがまだ言い争う2人に声をかける


すると蒼夜はパッとこっちを向いて私たちに駆け寄った


『了解。じゃあ行ってきまーす』


『おい!まだ話は終わってな…!』


『俺は終わった!夜魅行くぞ!』


『あ、うん』


蒼夜は私の手を取って部屋を出る


『あ!待て……!』


後ろでリクさんが呼び止めたが気にせず蒼夜は扉を閉めた


バタン……


部屋から出た後も、蒼夜は握ってる私の手を離さずスタスタと歩く


大丈夫かな…?


リクさん……まだ納得してなかったみたいだけど……


私が名残惜しそうに後ろを振り向くと頭に手の平が乗った


何だろうと私が前に向き直ると蒼夜の不機嫌そうな顔が目に入った


『…気にしなくていいって、あいつの事なんか』


そう言ってプイッと私から顔を逸らした


…………何なんだ本当に


私は首を傾げて、後ろ姿の蒼夜を見つめる


しかし、部屋に着くまで蒼夜は私の方を振り返る事はなかった









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