今日も刀を振りかざす
『人事異動を言付かってきました』
『……人事異動?』
資料に目を通し俺は顔を上げた
2名の人事異動
こちら側に向こう側から異動してくるらしい
しかも事務や医務ではなく戦力としてだ
………珍しいな
YGPのどの支部においても、戦力分野は人数が少なく、それだけ1つの支部から他へ異動するとなると…相当なリスクを伴う
今回…リスクを伴ってまで、こちらの支部に異動させた目的は………
『……面倒臭いことになるな』
『……あぁ』
リクの呟きに俺は短く声を漏らした
鍵となる夜魅の見張りの為に人事異動をしたんだろう
一種のスパイだな
むやみに行動出来なくなる
『……幹部からの言付けだ、断る事も出来ないだろう。分かった、受け入れる』
俺がそう言うとリオは深々と頭を下げた
『では受け入れ許可を頂いた事を上に報告いたします。それでは失礼しました!』
リオが部屋から出ていった後、リクが大きく背伸びをする
『相変わらず硬いねぇ…幹部というのは』
『お前が軽いだけだろ、見習え』
俺はリクに毒を吐いて、リオが持って来た資料に改めて目を通す