今日も刀を振りかざす



『驚いた…退治人って、あんた達だったのかい』


本当に驚いた様な顔をして店主は掴んでいた私の腕を解放した


『えぇ。この事は内密に』


『分かったよ、しかし無理はするんじゃないよ?』


『約束は出来ませんが、貴女の為にも町の為にも、努力はします』


蒼夜らしい言葉の返し方に店主の顔は明るくなる


『本当にあんたは面白い奴だねぇ!……任せたよ』


『はい』


その後私達は店主に別れを告げ、とりあえず今夜泊まる宿に向かう


その途中で、私は気になっていた事を蒼夜に質問することにした


『……蒼夜は…あの店主が妖魔の情報を持ってる事分かってたの?』


『ん?……まぁ、村の人に聞けば情報が掴めるとは思ってたよ。リーダーに貰った資料に妖魔の情報は書いてたし』


『っ嘘!!?』


私は急いで資料に目を通す


そこには確かに妖魔について書かれていた


被害者の共通点に若い男女とも書いてある


……しまった、見落としてた


『うぅ…最悪』


私は資料で顔を隠す


任務に行くのに資料の隅から隅まで目を通すのは常識だ


蒼夜はそれを分かってる








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