とある夢追人の物語
「ターゲットはコイツ。
わがままだし、豚みたいだしさ。イジメようよ。」


私は、ズタズタだった。
親友だと思っていた奴に裏切られて。


イジメたいともコイツ等に従いたいとも思ってなかった。


ただ、普通に友達と話したりする環境が欲しかったのかもしれない。


私は、賛同してイジメた。


でも、そいつは泣かなかった。


すぐに新しい友達を作っていた。


でも、どこか罪悪感があって一時的に話かけて仲良くした。


だけど周りが
「仲良くしてるの?あ、いいじゃん。仲良くみせかけて突き落としてみれよ」


そう言ってきた。


遊ぶ約束をしていたのもその日になって断った。


他にもキモいとか豚とかデブとか。


平気で言ったし、そいつを指差して笑ったりした。


イジメる側に立って気づいた。

「泣き顔」が見たい。
なんの原因もないけど“やる”となったらとことんやるみたいな。


そいつが心から憎いとかじゃなくて
ただ惨めな姿をさらして笑いたいだけだ。

やられた側はムカつくよね。


でも“遊び”感覚でやってるだけで、それに対して愕然とした自分がいた。
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