だけど、忘れられなくて。


『やめろ』


…この低いけど、透き通った…

わたしの大好きな声を聴けるのは

いつ以来だ…?


『あんだよ、男いんのかよ…』



つまんね、と言葉を吐き捨てそそくさと消える。



そんなことはどうでもよくて…。




問題は、このわたしの手で。


握られている相手が…



確実に悠志くんである。


恥ずかしすぎて直視なんてできない。
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