二股?ガール -モテ期到来-
「……やっぱり」
「りゅ、うき……」
揺れた原因は琉稀が私の隣に移動したから。
琉稀は、私の体ごと琉稀の方へ向けさせられた。
顔を上げてしまったから涙が溢れて出てしまった。
「お前……高所恐怖症だろ」
あっさりと当てられてしまい、小さく頷くことしか出来なかった。
「ハァ……震えてるなぁって思ったんだけどゴンドラのせいかと思ってたらやっぱり怖くて震えてたんだな」
自分が震えてることくらい分かってた。
気づかれていたことに何も言えない。
「なんで、乗る前に言わなかったんだよ」
「嬉しそうな琉稀見たら、何も言えなくなっちゃって……」
泣きながらも小さな声でそう言うと琉稀は、
ーーギュッ
「え……?」
無言で私を優しく抱き締めた。