二股?ガール -モテ期到来-
「オレのせいだよな……ごめん」
抱き締めたまま琉稀は謝って来た。
「琉稀のせいじゃないよ!私が言わなかったからいけなかっただけで何も悪くない……」
そう言うと琉稀は私をさらに抱き締めた。
「とりあえず、オレに抱きついてろ。そうすれば外の様子とか見えないだろ?」
今が夏のことなんて忘れて琉稀の暖かいぬくもりに体を預けた。
高いところにいるのにそんなことも忘れそうになるくらい安心する。
それに、すごくドキドキするんだ。
ずっとこのぬくもりを感じていたいと思う自分がいる。
とってもあったかい人。
「琉稀は……優しいね」
顔を上げて笑う。
「やべぇ……オレ……」
「……ん?」
琉稀の顔が赤く見えるのは夕日のせい?
「キスしたくてしょうがねぇ」