二股?ガール -モテ期到来-
「おい、蒼空~!ガッツリアピールしてんなよ~。」
「うっせーな。良いだろ別に。」
「羨ましい~、兎ちゃん可愛いもんね。」
クラスのみんなの声がやたらハッキリ聞こえてくる。
みんな止めてー……。
「すっかり仮公認よねぇ。琉稀先輩とクソ蒼空に一気に告白されて?振るんじゃなくて仮に付き合うような感じになっちゃったし?蒼空は置いといて琉稀先輩から告白されるのはプレミアだよ。」
「おい、アイツがプレミアとか意味分かんねぇ。オレだってかなりプレミアだから。」
「は?アンタにさても嬉しくもないし、琉稀先輩がプレミアならアンタは泥沼級よ。兎、さっさと蒼空振って琉稀先輩にしなさい。」
「泥沼とか喧嘩売ってるどころじゃねぇよな?まじねぇわ」
また口喧嘩しちゃってるし。
「はぁ……そんな簡単に返事できないよ……。」
思わず口から零れた一言に蒼空が口喧嘩を強制終了しさっきとはかなり違っていつも通りにフッと鼻で笑い、
「兎、ゆっくり決めればいい。
ま、オレが兎をもらうけど?」
「~~っ!?」
再びクラスを響動(どよ)めかすとんでもない発言をし、
そして私はまた、顔を真っ赤に染めました。