二股?ガール -モテ期到来-
「ははっ!!お前のその強気な所、オレは良いと思うぜ?」
「さんきゅ。」
光輝は中学からの仲だ。
オレの色んな場面見て来てるから、コイツに言われるとオレはそれが自分の良い所だって思う。
「……にしても、お前が女好きになるなんてな。今までそんなの“あの子”だけだったじゃん。」
「………そうだな。なんか兎は、この短期間だけどいつの間にかハマってた。」
確かに“アイツ”以来だ。
だからこそ、オレは手放したくないんだと思う。
アイツのように。
「お前が好きになったんだから先輩に負けんなよ。オレは応援するよ。」
「おう、じゃあな。」
光輝と別れ、オレは一人思い詰めて歩道を歩く。
『━━━ごめんねっ…別れよっ…。』
アイツの声が過る。
あれ以来彼女を作らなくなった。
またアイツみたいに兎を失いたくない。
「………絶対負けねぇ。」
兎はオレがもらう。
━━━━━━━ 蒼空SIDE おわり