二股?ガール -モテ期到来-
ーードキンドキン……
そしたら不意に聞こえた心臓の音。
とっても早くて……、
でも、私じゃない。
「……蒼空?」
なんとなく蒼空の方を見てみると、
少しだけ、罰が悪そうな顔をした。
「オレだって一応、好きな女抱き締めてんだから心臓は変になるっつぅの」
「………っ!?」
そんなこと、不意に言わないで欲しい。
心臓バックバク。
ドキドキとか可愛いらしい音はどこへ……。
も、もうだめだぁああ!
ーーグイッ
「……ふ、ふぅ」
私は蒼空から離れた。
これ以上くっついてたら私、死ぬよきっと。
「ふぅ……じゃねぇよ。まぁ、いいや十分くっついたし?」
「………う」
そんなこと言ってフッと笑う蒼空に結局心臓の鼓動は加速しっぱなしだった。