secret love -彼氏の秘密-
3
*゚.·。
「……その子が……私……?」
大貴はゆっくりと頷いた。
「覚えてなくて当然だ。俺も由羽(ユウ)も随分小さかったからな」
そう言うと、強く強く私を抱きしめた。
「ありがとうな……由羽と過ごせて、俺……本当に幸せだった」
それはきっと最期の言葉だと、私の胸がざわつかせる。
「大貴……嫌だよ!?一人にしないで……行かないでよぉ!!私が、私があんな事したから……だから……」
「ううん。これでいいんだ。いつかはこうなる定めだった。
だから、泣くな……。
最期くらい……笑って欲しい……」
そう言って、大貴の指が優しく涙を拭う。
だけど、涙は止まる事を知らない。次から次へと溢れ出して、大貴の顔も滲んで見えない。
「う…っ…っ!!」
大貴が消えてしまわないように、私は必死でその姿にすがりつく。
そんな私を見てか、鼻を小さく鳴らすと、大貴は力一杯私をはがした。
大貴の潤んだ大きな瞳が、私をとらえる。
「無茶……するなよ……?由羽は危なっかしいから……」
そう言って、優しくキスをした。