secret love -彼氏の秘密-
「え……!?」
思いもしない言葉に、飲んでいた紅茶を思わず零した。
あらあら大丈夫?と笑いながらおばさんは優しく拭いていく。
「由羽ちゃんももう大学生でしょ?
大貴の事、凄く嬉しいけど、由羽ちゃん自身の幸せをちゃんと考えなくちゃね」
「でも、私……」
「おばさんはね、大貴の事をここまで愛してくれて、
由羽ちゃんには本当に、心から感謝しているの。
だから、大貴に負い目を感じなくていいのよ?
もう十分。沢山愛を貰ったわ。
きっと大貴も、由羽ちゃんの幸せを願っている筈よ?」
おばさんの気持ち、痛い程よく分かる。
おばさんが云いたい事も……。
私の事を……
将来(これから)をあんじてくれている事も……。
でも、大貴を忘れるなんて出来ない。
出来る自信も無い。
忘れられたら、どんなに楽だろうと思った。
だけど、いろんな瞬間に、どうしても大貴を思い出してしまうから。
“新しい恋を見つける”かぁ……。
そうすれば、大貴を忘れる事が出来るのだろうか?
そうすれば、おばさんも安心してくれるのだろうか?
大貴からの卒業――
それを胸に抱えたまま、
数日を迎えた……。