secret love -彼氏の秘密-
私を包み込む
先輩の香りと、
力強くも心地よい
先輩の温もりに、
次第にドキドキと胸が音をたてる。
耳が熱くなる。
私、もしかしたら、先輩の事――。
新しい恋、出来るかもしれない。
一歩
踏み出せるかもしれない。
私は、静かに背中に腕を回した。
「先輩……ありが――」
――ガタン。
ふと、先輩のカメラが床に転がり、
私は慌てて拾うと慎重にカメラを見回した。
「レンズは、大丈夫みたいですね」
「紐が切れたみたいだな」
あれ……?
以前は気付かなかったけど、小さくアルファベットが彫られている。
“ H i r o k i ”