secret love -彼氏の秘密-

――由羽へ



由羽がこの手紙を読んでいるという事は、

きっとまだ、由羽の心の中に、俺が生きてるって事だよね。

俺って本当に幸せ者……だよな。


由羽が初めてここに来て、お袋に会った瞬間、

俺は覚悟を決めたんだよ。


いつか別れの日が来る。

それはわかっていた筈なのにね。
いざとなると震えが止まんねぇ……。

本当に情けないよな。

由羽……

今でも、俺に逢いに来てくれてありがとう。

忘れないでいてくれてありがとう。

由羽を置いて消えていく、身勝手な俺をどうか許して欲しい。

俺が生前には無かったモノを、由羽から沢山与えて貰ったんだよ。

もう心残りなんてない。

最期くらいかっこつけて逝かなきゃな。

それと、ずっと黙っていたけど、俺には誇れるモノがもう一つあるんだ。

それは、俺には勿体ないくらい良い奴が親友だって事だ。

中学からの腐れ縁でもあるけど、俺もアイツもお互いを良く知っている。

だからこそ、安心して言える――。


もし、杉坂と出逢ったなら……

巡り会う事が出来たなら、杉坂との未来を考えてみて欲しい……。


アイツなら絶対、由羽を幸せにしてくれる。


俺は、ずっと、ずっと願ってるから――




――由羽、





幸せになれよ――




佐倉 大貴


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