大人の事情

カウンセリング

チャイムが鳴ったので、私は悠斗くんとわかれた


もしかしたら悠斗くんは放課後帰ってしまうかもと思った。


それでもいい。


本気で反省文を書かせようとは思ってない。


私は急いでカウンセリング室へ向かった。


鍵を開け、中に入る


室内は少し暑い


さすがに6月にもなるとジャケットを着てると暑い


私は部屋に入るとすぐにジャケットを脱いで椅子にかけた


コーヒーでも入れようかと思った時


〔ガラガラ〕


後ろでドアが開く音がした


振り向くと相手はうつむきながらチラッとこちらを見た


「おはよう」


私が挨拶をすると相手はびくっとして顔を上げた


「あ・・・おはよう・・・です」


私が微笑むと相手はホッとしたように笑顔になって部屋に入ってきた


ドアが閉まると生暖かい風邪が少し入ってきた


彼女は逢沢るん(あいざわ るん)


1年生だ。


クラスでいじめを受けていて、学校へ来てもクラスへは行かずカウンセリング室で一日を過ごしている


カウンセリング室は特別棟にあるため、一般の生徒はとは会わないようになっている。


特別棟はカウンセリングを受けている子だけが入れるところ。


もちろんクラスで普通に生活している子もいる


図書室やパソコン室、音楽室は特別棟と普通の校舎に2つある。


これは、わざわざ普通の校舎に行かなくても使えるようにと私が提案したことだ。


カウンセリングを受けるこの中に本が好きな子や音楽が好きな子、パソコンが使いたい子がけっこういるということで作ってもらえた










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