大人の事情
「何か飲む?」


「あ、はい」


私が「何がいい?」と聞くとるんは「じゃありんごジュースで」と答えた。


私が飲み物を用意していると、るんが話しかけてきた


「先生」


「んー?」


「先生って彼氏とかいる?」


いきなりの質問に驚き、私はジュースをこぼしてしまった


「うあ!」


「あ、大丈夫?先生」


るんが雑巾を持ってきてくれたので私は床を拭きはじめた


「ごめんねいきなり」


「ううん、えっと、彼氏だよね。いるよ一応」


私がそう答えるとるんは微笑みながら「やっぱり」と言った。


「やっぱり?」


「うん、だって先生きれいだもん」


私は少し動揺して頭をぶつけてしまった


「いたたた・・・」


「うわーいたそー」


るんが「大丈夫?」と私の顔を覗いてくる



「ごめんごめん、きれいなんて言われたの初めてでちょっと動揺しちゃった」


「そっか、でも本当だよ!先生きれい」


「はは、ありがとう」


私が笑うとるんも笑い返してきた。


るんはよく笑う


爆笑はしないが、ほほえんだりはにかんだりする


私といるときのるんは本当によく笑う






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