俺様彼氏とわがまま彼女
『優斗サイド』
咲が目を覚ましてくれてほんとに良かった。もし、目を覚まさなかったらどうしようかと思ったぜ。
「優斗。」
「どうした咲?」
「私に何か聞く事があるんじゃない。」
「聞く事?」
咲に聞く事なんてありすぎてどれから聞けば良いのかなんてわかりやしない。
「わかんないの。あきれた。私と付き合う前に約束したでしょ、優斗のせいで私に何か遭ったら私のお願いを聞くって。」
そうだった。咲に告白したときの俺は、どうしても咲と付き合いたくてそんな約束をしたんだった。だけど、咲は俺のせいで何か遭ったとしても、その約束を使おうとしなかったからてっきり忘れたのかと思って俺も忘れていた。
「確かにしたけれども、今までだってそんなこと一つも言わなかったからもういいのかと思って・・・。なのにいまさら言われても。」
「何。約束を破るの?。」
咲はいつもとは少し違うどす黒い声で言ったので、俺はビックリした。
「今までは、しょうがなく許してただけ。だけど、今回はもう許せないの。」
俺は頭にきた。咲は何でもかんでも俺のせいにして自分は悪くないと言い切ったからだ。
「お前なぁ、今回落ちたのはお前の不注意だったからだろ。今までだってそうだった。だから、今までも今回も俺がお前のお願いを聞く必要はないと思うけどな。」
「何ですって。原因は全部優斗のせいなんですけど!」
「意味がわかんないんですけど。」
俺がそう言うと咲は顔を少し赤らめ、うつむいた。