俺様彼氏とわがまま彼女
『咲サイド』
「お願い事言ってみろよ。」
優斗がそう言った瞬間私は嬉しくてたまらなかった。
(勝った。)
「あのね、洋服を買って欲しいの。」
「いいぜ。何着でも買ってやるよ。でも何で洋服なんだ。」
「だって、優斗とのデートのときに可愛く並びたいじゃん。」
上目ずかいで言うと優斗は少し顔を赤らめた。
(優斗バカだなこの後もっと優斗にとって最悪のお願いがあるとも知らずに。)
「あのね、もう一個お願いがあるんだけど聞いてくれる?」
「いいぜ。」
「絶対聞くって約束できる?出来ないって言ったら別れるからね。」
「おう。いいぜ!男に二言はねぇからな。」
やっと言える。ずっと言いたかった。これで、優斗にもあいつらにもお仕置きが出切る。
「あのね。」
私はこの続きを強めに言ってやった。
「今後一ヶ月、女子とデート禁止!それと、私と登下校を一緒にすること。いい、わかった。」
優斗はこれを聞くと固まってしまった。
そして、一分ぐらいたった時やっと優斗が出した言葉が・・・。
「えーーーーーーーーーーー。無理に決まってんだろうが。俺に女子とデートするななんて・・・。まぁ、咲と一ヶ月一緒に登下校できるなんて幸せだけどよ・・・。」
優斗は何気にはずかしことをさらっと言った後もぶつぶつと言っていてイラっときたので怒鳴ってしまった。
「ぶつぶつうるさい!男に二言はないんでしょ。だったらシャキッとしなさいよね。」
「は、はい。」
「で、どうなの。できるの、できないの。できないんだったら別れるからね。」
「わかった。やってやろうじゃねぇか。」
優斗、顔にきついって書いてるけど良いか。
「なら良かった。ねぇ、今度服買いにデートしようよ。」
「いいぜ。てか、お前二個目のお願いのほう少しきつめじゃなかったか?」
「それはそうよ、メインはこっちだったんだから。」
「な、何ーーー!」
すごい驚いてておもしろいなー。でも、これからの一ヶ月楽しみだな。
そう、この時の私はわかってなかったんだ。優斗だけが地獄の一ヶ月になるんじゃなくて、わたしも、否、私のほうが地獄の一ヶ月になるなんてえ思っても見なかった。