ルビゴンの河の先
思わず叫びたくなる衝動を抑えて、私はそっとベッドに近づいた。そしてそろりとその人の顔をのぞき込む。
「うわぁ…」
恐ろしく美人。
男の人なんだろうけど、“カッコイイ”じゃなく“美人”だ。
白い肌に焦げ茶の髪。顔のパーツだって整っていて………
…ずるいわ、こんな。
「―――随分じろじろと観察するんだな。私のことを知らない訳ないくせに」
薄い唇が開いたかと思うと、想像以上の低い声でそう告げる。
我に返った私の視界に入ってきたのは、鞘から解放された刀身だった。