ルビゴンの河の先
それから2日前に通った道を再び馬で駆ける。
途中出会った伝令係の忍から渡された手紙には、どうやら北条は官兵衛の策である無血開城に応じる模様。
俺は口元に弧を描いて小田原に駆ける。
―――秀吉公。
あなたの天下が見えます。
煌めく太陽が、鳥のさえずりが今日は心地よかった。
「―――半兵衛、いいところに戻った!今から小田原城に向かうところだ」
2日後、本陣に顔を出すと開口一番官兵衛からそう告げられた。