ルビゴンの河の先
「ただ今戻りましてございます、秀吉公。…この日を心からお待ちもうしておりました」
公の前で跪きそう伝えると、頭をぐしゃぐしゃと撫でられた。
「主等の尽力あってこそよ。さぁ、役者も揃ったことだし参るか」
―――それから、小田原城は無事無血開城となり北条の従属が取り交わされた。
それと同時に奥州を統べる伊達とも親書を交わし、ここに我らが秀吉公の天下統一が達成されたことになる。
皆で喜びを分かち合い、歓喜する中で俺の頭をかすめたのは眠り続けるあかりの姿。…一刻も早く戻り、彼女の目覚めを待ちたかった。