ルビゴンの河の先
「―――どうした改まって。…まぁよい、聞こう」
驚いた様子の秀吉公だったがそこは流石。
俺が話しやすいようにとどっしり構えて次の言葉を待っている。
…かつてこんなに緊張することがあっただろうか。
「………先日、私が8日あまり目を覚まさなかった時の話でございます」
一月ほど未来の日本で生活したこと。
実は肺に病を患っていたけど、未来の医術で完治したこと。
世話になった家主に惹かれたこと。今も愛してやまないこと。
こんな話誰も信じないだろう。しかし、命を懸けた主にだけはわかってほしかった。
そしてできれば―――…