ルビゴンの河の先
全て話し終えて、部屋の中には沈黙が続いた。
…こんな話を急に告げられて、理解できるはずもないだろう。俺は秀吉公の顔を見れなくてずっと頭を垂れたままだった。
「………このような俄に信じがたい話、申し訳ありません。しかし証拠が城にございます」
「城に?」
「はい。―――理由はわかりかねますが、その女は現在私の部屋におります。…石田が発見し地下牢に繋がれておりましたが、眠ったまま目を覚まさないのです」
勝手な真似をして申し訳ありませんでした、とここまで一気に話すと秀吉公はなぜか盛大に笑い出した。
…え、一体………?
「―――いやいや、最近の半兵衛の様子がおかしいと思っていたらそういうことだったか!」