ルビゴンの河の先
秀吉公はなにやら心底楽しそうな表情を浮かべて思わず顔を上げてしまった俺に視線を向ける。
その表情からはなにを考えているのかさっぱりわからなくて、俺はうっすら冷や汗をかいている。
………どうしたらいいのだ?
「―――しかしなぁ、半兵衛の自室ながら儂の城に勝手に人を住まわせるとは。よって城に戻り次第3日間の謹慎だ。…その女子の側にでもおれ」
「え?」
「半兵衛が惚れる女子、儂も楽しみよ」
ぽかんとする俺を後目に秀吉公は顎に手を当ててあぁでもないこうでもないと独り言を言っている。