ルビゴンの河の先
そりゃそうだ。
タイムスリップ、なんて空想の話でしかないはずなのにこの空間では現実になってしまっていて。
私はともかく、実際にタイムスリップしてしまったこの彼の心中はいかばかりか。
「……………未来。…信じがたい話だが、それが一番納得がいく」
「え!?信じてもらえますか?」
「嘘を言ったのか?」
その言葉にぶんぶんと首を横に振る。
私の様子を見て盛大に溜息をついた彼は、突きつけていた日本刀を鞘にしまうとベッドから降りた。