ルビゴンの河の先





竹中さんが指を指した先にはジュエリーショップのガラスケースがあって、蛍光灯の明かりに照らされた宝石が存在を主張している。



「なんだこれは」


「アクセサリー…んと、装飾品ですよ。おしゃれで身につけたり、大切な人に送ったり」


「あくせさりー、か。美しいものだな」


そう言いながらも視線はガラスケースの中。
子供のようにその場から離れようとしない様子に私もそっと隣に寄り添うように立つ。



「………じゃあ、私から竹中さんに送りますよ。未来の記念に」


私がそう言うと、ぱっと顔を上げて私に視線を向けた。





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