ルビゴンの河の先
「…安いものではないんだろう?無理するな」
咎めるような口調に苦笑いで答えると、竹中さんは何か言いたげで。
「実はお金ならいらないくらい持ってるんです。………使ってしまいたいのに使えなくて困ってて、だからという訳じゃないけど…竹中さんのために使いたいって思って」
だんだん何を言っているのかわからなくなった私はそこまで言って口を閉ざした。
…私、何でこんなにムキになってるの?
「―――わかった。なら、選ばせてもらおう」
そう言ってぎこちなく私の頭を撫でる竹中さんに、なんだか泣きそうになった。