ルビゴンの河の先





………どうしよう。


顔が、熱い。
顔どころか首も耳も、身体中が燃えるように熱くて。


私は石になったように固まってその場に立ち尽くした。



「…あかり?」


竹中さんが呼んでるのに返事もできないで俯いたまま。
早く返事を返さなきゃ、そう思っても口が動かないから困る。


誰か、なんとかして―――…










「―――あかり、か?」


その声に、心臓が絞られるように痛んだ。





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