誘う華
アノン様は、なんの躊躇いもなくあたしの血を啜るのに…


あたしの血が口に合わないのかしら…


そんなことをボーとする意識の中で考えていた。


「今日はもう休め。明日もまた来る。」


そういいながら、あたしの首筋の傷を舐めるアロン様。
すると、傷口がスゥッと消えていく。


「…わかりました。」


見送らなくちゃ…


一歩足を出すと視界がグニャリと曲がりあたしは倒れた。
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