誘う華
「フフフッ…あ、ごめんねゼオン。あたしの心配してくれているのに。」


ゼオンのコロコロかわる表情がなんだか可笑しくて。

「やっぱりベルは笑っている方がいい…。」


笑われた事なんか気にしていないというようにゼオンはあたしに笑いかけてくれた。


「今日は、ベットで少し休んでろ。顔色もあまりよくないから。」


「うん。お二人の前で、また気絶でもしたら大変だもんね。」


あたしが使えなくなれば、代わりの『ドール』が来る。


でも、それだけは避けたい。


あたしの代わりは妹のイースだから。


まだ10歳なのに、そんな事はさせられない。
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