ユビキリ
――それから。
救急車と警察が一緒に来た。
きっとどこからか情報が伝わったのだろう。
僕には詳しいことは分からないが。
僕たち・・・
いや。
僕と被害者の友達は、事情聴取のために警察署に行った。
一体、僕はこれで警察と関わるのは何回目だろうか。
考えたくもない。
『あの~。聞こえてますか?』
「あっ、すみません。
ぼぉーっとしてました。」
『いえ、別に構いません。
これから、質問させていただきます。
あなたは、天音咲歩(あまねさきほ)さんに助けを求められて、被害者の部屋に行ったと。』
そういえば、あの人って咲歩さんっていうんだ。
「はい。その通りです。」
なんだろう、この静かさは。
この部屋には3人もいるのに。
――ちなみに、いま話してる相手は
《星谷雅人(ほしたにまさと)》
という男性警察官。
――その隣でメモをとっているのは
《風火鈴々亜(かざびりりあ)》
という女性警察官。
なんとなく、この場に女性がいて安心した。