黒い炎
自分の意に反した体験だった事が、奴が独特の雰囲気を纏う結果になっているのか。
優しい微笑みの下に隠された黒い部分が、女を魅了するのだろうか…。
奴に近づく女は後を絶たない。
甘ったるい匂いをプンプンさせて優弥に身体を擦り寄せる。
俺はそんな女達が嫌いだった、優弥だって女を嫌ってる筈なのに…あいつは…。
女と消えた後、決まって顔色を悪くし嗚咽を抑えながら戻ってくる。
なのに…何故そうまでして彼女たちの相手をするのか、俺には優弥の気持ちが分からなかった。