黒い炎
深く追求してこなかった兄を横目に、ほっと胸をなで下ろす。
どうした?と聞かれた所で答えられない…。
道行くカップルに優弥と自分を重ねた…なんて。
ふと思い浮かんだ優弥の姿、変わり行く自分に鈴自身がついて行けずにいた。
何故…どうして?
考えてみたって答えなんてでない…男の子は怖い…筈なんだけどな…。
それがなぜだか優弥は違った。
初めて会った時は確かに"怖い"と感じた。
なのに…最近は怖いどころか、彼を意識するようになっている。