黒い炎
優弥の纏う独特の雰囲気のせいだろうか、最近では彼の側にいても初めの頃のような恐怖心は無い。
とは言っても、緊張でまともに顔も見れてはいないのだが…。
今までだって、男の子と話すどころか、側に近寄る事すら出来なかったのだから無理も無い。
その上優弥は、芸能人かモデル、いやそれ以上とも言える程に恵まれた容姿の持ち主だったりする。
「すれ違うだけでドキドキしちゃうよ…」
兄が不思議そうに首を傾げているのにも気付かず、ぶつぶつと1人呟く。