黒い炎

…ドキドキ…?



そう言えば…私…優弥くんに会うと…ドキドキ…してる…。






何故?




…格好いいからだよ…多分…うん、そうだよ…きっとそう。





あれ以来、男の子は避けてきた…優弥くんほど格好いい人に出会う事も無かったし。



大好きな桜ちゃんの弟だって思うから、他の男の子とは違うんだ。



言い聞かせるように心で呟く。




優弥への感情は、庭師の彼に抱いたあの感情に似ている気がした。




恋だと、彼が好きだと気付く前に、無惨にも散ってしまったあの時の気持ち。



思い出したくない過去が蘇り、鈴はキツく瞳を閉じた。
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