黒い炎

彼女に会いたいと、思えば思うほど落ち着かない。



今頃何をしているのか…何故姿を見せない…そんな事を考えている内にふと、鈴の兄が思い浮かんだ。



なんの躊躇も無く触れられる、そんな距離にいる彼女の兄に嫉妬した。



「ダセェ…兄貴に嫉妬なんて…嫉妬？」



嫉妬ってなんだよ…何で俺が鈴の兄貴に嫉妬なんて…。



「………俺は…鈴が…すき…なのか？はっ、まさかな俺が女を？」



女と言う生き物を、あんなに嫌悪していたのに、鈴は違うと言うのか？