黒い炎

会えない日々が、優弥の鈴への思いに火をつけてしまった。



それが『恋』だと気付かないまま…。



好きな人を思い切なくなったり苦しくなったり、誰かに嫉妬するなんて事、恋を知っていれば当たり前なのかもしれない。



しかし、"心"より"身体"が先 に大人になってしまった優弥は、まだ恋をしらずにいた。



鈴への思いは"初恋"なのだ。



「…はぁー」



鈴を思いざわつく胸を押さえ、もう何度めかのため息を吐き出す。



自ら思っている訳では無いのに、何故だか自然と浮かぶ鈴の姿。

< 121 / 207 >

この作品をシェア

pagetop