黒い炎
会えない日々が、優弥の鈴への思いに火をつけてしまった。
それが『恋』だと気付かないまま…。
好きな人を思い切なくなったり苦しくなったり、誰かに嫉妬するなんて事、恋を知っていれば当たり前なのかもしれない。
しかし、"心"より"身体"が先 に大人になってしまった優弥は、まだ恋をしらずにいた。
鈴への思いは"初恋"なのだ。
「…はぁー」
鈴を思いざわつく胸を押さえ、もう何度めかのため息を吐き出す。
自ら思っている訳では無いのに、何故だか自然と浮かぶ鈴の姿。