黒い炎
「待てよ優弥!」
2人に背を向けて歩き出した俺を、亮は慌てて追ってくると隣に並んだ。
俺たちが向かったのは屋上。
今は昼休み、食堂は欲求不満のオンナ達の視線が痛くて居心地が悪い。
「今日もいい天気だ!」
んーと伸びをする亮を後目に、俺は座り込んだ。
ガサッと袋から取り出したパンに、かぶりついた俺を見て亮も腰を下ろした。
「何だよー今日は愛情弁当ナシ?亮くんがっかりだよ」
がくっと肩をおとし、泣き真似をして見せる亮を小突く。
「何でお前が泣く?」
「ハルさんの弁当は世界一ウマいからだ!」
「あー…ハルさん今調子悪いんだ…やっぱトシかな…」
"はぁーっ"とため息を吐き出した俺の肩をポンと叩き、「しゃーねえよ」と亮は言った。