黒い炎
「ん、どうした?」
「何でもないっ」
意味も無く笑う私に桜ちゃんは首を傾げた。
「変な鈴…ま、いっか…じゃご飯作ろっか!」
「うん!」
服の袖を捲り、桜ちゃんとキッチンへと向かった。
―――…
「桜ちゃんお邪魔したね、いつもありがとう」
迎えに来た兄は、いつものように桜ちゃんにお礼を言う。
「いえ、誘ったのはあたしですから!」
「桜ちゃんごちそうさまでした、と、お邪魔しました」
「こちらこそ来てくれてありがと、また一緒にご飯食べよ?」
あたしも1人だと寂しいし…と小さく笑った桜ちゃんは少し寂しそうだった。
「またくるね!」
兄の車に乗り込むと笑顔で桜ちゃんに手を振った。