黒い炎
―――…
――…
「……はぁっ」
店を出てため息をひとつ吐き出し、俺はネオンの中を歩き出した。
考えるのは鈴の事ばかり…彼女は今頃何をしているだろうか…。
足を止めた俺が見たのは、ショップのウィンドウにうつしだされた、情け無い面をした自分だった。
「なさけな…」
「ハァハァ…待ってよ…バカ優弥」
そんな自分を見つめ、またため息を吐き出しそうになっていると、息を切らせた都に腕を掴まれた。
「おーい俺も置いてかないでくれよ!!」
少し離れて亮が手を振り追いかけてきていた。