黒い炎


―――…
――…


「……はぁっ」


店を出てため息をひとつ吐き出し、俺はネオンの中を歩き出した。



考えるのは鈴の事ばかり…彼女は今頃何をしているだろうか…。



足を止めた俺が見たのは、ショップのウィンドウにうつしだされた、情け無い面をした自分だった。



「なさけな…」


「ハァハァ…待ってよ…バカ優弥」



そんな自分を見つめ、またため息を吐き出しそうになっていると、息を切らせた都に腕を掴まれた。



「おーい俺も置いてかないでくれよ!!」



少し離れて亮が手を振り追いかけてきていた。


< 137 / 207 >

この作品をシェア

pagetop