黒い炎
皿にかかるラップをはずしながら答えた俺に、「強がり言っちゃって」と返す桜。
「はっ誰が」
「君だよ君」
俺の肩をポンと叩く桜に無言で返せば、あんた気づいて無いでしょ?なんて笑いやがる。
「残念そうな顔!本当は会いたいくせに素直じゃないんだから…優弥自分の気持に正直になりなよ」
「煩いよお前…別に俺は…」
「ほら、そうやってつっかかってくるのは本当の事を言われてるからよ?わかん無い?」
「………」
俺は何も言い返せ無かった。
あいつに…鈴に会いたいと思っていたのは本当だった、心の中を見透かされたみたいで動けない。
「………」
「あんたと鈴って何か似てんのよね…だからなんかほっとけないのよ」
心配そうに喋る桜を黙ってただ見ているしか無い俺。
だから嫌なんだこいつはいつだって俺の本音を見抜く。